日本銀行(本店)を見学してきた。

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こんにちは。オードリ秋丸です。

先回の東京証券取引所見学に引き続き、今回は日本銀行の見学内容をアップします。

そもそも日本銀行(以下、日銀)って、何をやってるかよくわかりませんでした。

「日銀の植田総裁が~」とか、「日銀短観がどうの」とか。

金融や経済について知識がない私には「なんのこっちゃ?」って感じです。

なので日銀を身近に感じてみたかったので、見学してみることにしました。

結論、結構面白い!

日銀を見学するためには。

今回見学したのは、日銀本店(日本橋)です。

本店ってことは支店もあるの?って思いませんか?

日銀のパンフレットで調べてみると↓の通り。

32の支店と12の国内事務所があって、各都道府県をカバーしているようです。

栃木、埼玉、三重、奈良、和歌山には支店も事務所もないことになります。

話が逸れてしまいました。

本店見学には事前予約が必要で、↓日銀ホームページから申し込みます。

本店見学予約サイト(外部サイトへのリンク)
見学予約サイトの画像

見学の概要(2023年12月末時点)

1 見学日

毎週月曜日~金曜日(祝日、年末年始<12月29日~1月4日>除く)

また、業務等の事情により見学できない場合があります。

見学希望日の90日前から5日前までに申し込みます。

すぐ定員に達してしまうので、早めに申し込むのが良いでしょう。

2 見学時間

(1) 9:30~10:30(受付9:15~9:25)

(2) 11:00~12:00(受付10:45~10:55)

(3) 13:45~14:45(受付13:30~13:40)※火曜日のみ

(4) 15:15~16:15(受付15:00~15:10)

この中から都合の良い時間を選択します。

3 定 員

各回20名(先着順)

4 対 象

(1) 小学校5年生以上(小学生は保護者の同伴が必要)

(2) 4年生以下及び未就学児は入館できません。

5 料 金

無 料

6 所要時間

約1時間:ビデオ上映(約10分)、見学案内(約50分)

途中退出はできません。

7 言 語

原則として日本語です。

英語希望の方のみ、予約サイトで英語の見学会を予約する必要があります。

8 注意事項(以下の場合は、見学できません)

(1) 見学開始時間に遅れた場合

(2) 事前に氏名の登録がない場合

(3)  所定の身分証明書(原本)を忘れた場合(パスポート、運転免許証、健康保険証、社員(学生)証、マイナンバーカード、年金手帳など

(4) 小学校4年生以下及び未就学児

9 その他注意事項

(1) 見学は階段を含んだ徒歩になります。(広いので結構歩きます)

(2) 駐車場がないので公共交通機関を使用します。

(3) 撮影は指定された場所のみ。

受 付

私は2023年11月某日(月曜日)15:15~見学させてもらいました。

15:00~受付開始なので本店の西門へ行きます。

時間になると↑から警備員と受付の人が現れるので、案内に従って中庭に入ります。

中庭に入ると氏名確認と身分証明書を提示して待合室に入っていきます。

中 庭

中庭から正面玄関を映した写真ですが、西洋風のガッチリとした建物です。

中庭の役割は2つあって、①正面玄関への入口、②地下金庫への現金搬入ルート

この写真の裏側から、現金をエレベーターで地下金庫に搬入していたんです。

ちなみに江戸時代末期まで、この場所は「金座」と呼ばれ小判などの金貨を作っていました。

すぐ隣には江戸城の石垣や濠などが残されていて、幕府の直近で小判が作られていたんですね。

ビデオ上映

待合室で見学案内を受けたのち、日銀の歴史、役割、建物の歴史などのビデオを視聴します。

日銀の歴史

① 日銀の誕生

1882(明治15)年、日本銀行が設立された。

松方正義大蔵卿(現在の財務大臣)は、日銀の役割について「中央銀行を創立する理由は、金融の流れを円滑にすることである。」と述べている。

期待された役割は、

①各地の民間銀行のネットワーク化

設立当初の日銀は、各地の国立銀行等と契約を結び取引を通じて各地域にお金を供給した。

②銀行券の一元的な発行

最初の日本銀行券「大黒札」を発行した。

② 銀行の銀行

日銀は銀行からお金を預かり、銀行間の送金を行い、必要に応じて他の銀行に貸し出しを行うことで、資金決済が円滑に行われるようにした。

③ 金融システムの安定

緊急時には必要に応じて他の銀行への貸し出しを行った。(最後の貸し手)

特に1927年の昭和金融恐慌では、預金者が不安を感じて銀行の窓口に殺到した。

多くの人が同時に預金を引き出そうとしたため、大量の紙幣が必要となり印刷が間に合わず裏が白紙の紙幣も発行された。

紙幣が十分あることがわかり、人々の不安は鎮静化した。

④ 物価の安定

紙幣の発行を一元的に行い、お金の価値を安定させる役割を担っている。

しかし、第2次世界大戦の戦費や戦後復興費の支払いにより、日本銀行券の発行が急増したため急激なインフレーション(物価上昇)が発生した。

⑤ 政府の銀行

明治初期には、政府のお金(国庫金)の出し入れや国債の発行を担うこととされた。

2階

ビデオ視聴が終わったら階段で2階に上がります。

廊下には歴代総裁の肖像画が飾られ、高橋是清など数名の案内があります。

廊下を進んでいくと資料室があります。

大型秤量器や本館建物の歴史などが展示してあります。

大型秤量器

大型秤量器は、2m以上の高さがあり金銀地金などの秤量に使用されていたようです。

日銀の業務として金銀地金の購入等を行っていたため重さや品位を鑑定して対価を決めることに使用していた。

本館の建築

日本人建築家:辰野金吾による最初の国家的近代建築だった。

主な特徴として①石造による古典主義建築、②中央銀行としての地下金庫、③先駆的な設備(エレベーターやシャッター)など新しい建築手法や技術を取り入れている。

辰野金吾は工部大学校、留学先のイギリスで建築を学び、日銀の設計者として欧米を視察し、日銀本館の設計・建築を担当した。

特にベルギー国立銀行を設計したアンリ・ベイヤールから学び、イングランド銀行からも多く学んでいる。

建築にあたっては官庁の営繕や旧来の大工組織を使わず、新しく建築学を学びつつある技師等で施工体制を整えた。

1923年の関東大震災では、地震には耐えたものの、火災により3階は全焼、1,2階は一部焼失した。

その後、辰野金吾の弟子である長野宇平治が復旧工事を行った。

長野宇平治は、復旧工事に続き本店増築棟の設計者となり鉄骨鉄筋コンクリート造などの最新技術を取り入れたうえで、「辰野の本館」を踏襲し調和を図っている。

ちなみに災害が起きた時にも金融機関や被災地のの人が困らないよう、政府や地方自治体と連携を取りながら取り組みを行っている。

1923年、関東大震災では1営業日も休まず業務を継続し、1995年、阪神・淡路大震災では火災で焼け焦げたお札を引き換えた。

2011年東日本大震災では濡れたお札の引き換えに対応している。

銀行員の方は、焼けたお札や泥の付いたお札を1枚ずつはがし、鑑定してアイロンがけまでして引き換えにあたっていた。

地下金庫

階段とエレベーターを乗り継いで、とうとう地下金庫に行きます。

本館の地下金庫は、関東大震災で被害を受けることなく創建当初(1896年)の姿をほぼそのまま残す貴重な空間。

創建時の金庫室エリアを守る日本製金庫扉。

イギリスの金庫扉を元に製作された山田金庫製の扉で扉の厚さは100mm。

イギリス製の扉は、この扉の手前にありイングランド銀行で使用されていたHobbs Hart(ホッブスハート)社製の金庫扉(厚さ100mm)を輸入している。

辰野金吾は西洋技術を日本に定着させるため、国産の金庫扉を製作させた。

イギリス製金庫扉の前には、回廊が設けられトロッコに乗せた現金をレールで搬入していた。

1932年には金庫が拡張され、アメリカ製の分厚い金庫扉(撮影不可)が設けられ回廊と共に金庫室となった。

金庫の総面積は1426㎡で、お札や金塊などが↓こんな感じで収められていた。

容箱に詰められた札束。(全部レプリカですよ!)

金庫の中は、資料室になっていてこんな体験もできます。

富裕層になった気持ちになれるかも。

世界初のお札の自動監査機。

銀行券自動監査機(BN-1)で1967~68年に開発し1969年に使用されている。

世の中のお札は一定期間経ったのち、日銀に戻ってきます。

この時、監査(お札の真偽・枚数・汚損度の点検)の作業を行いますが手作業でした。

この作業を機械化したのは日銀が世界で初めてで、改良を重ね、現在ではほとんどが自動化されている。

この他に地下でしか見られない日銀の耐震装置を見ることができます。

1 階

見学最後は、1階の窓口です。

以前は、中庭に通じるこちらの玄関から入って、受付に向かいます。

屋根は蛍光灯になっていますが、以前はガラスになっていて採光できるようになっていました。

関東大震災でガラスが割れるなど被害が出たため、ガラスは撤去されています。

最後に

テレビでよく見る日銀の上空映像で「円」の内部を見学してきました。

人数制限された見学ですが、歴史、建物、内部構造など普段目にすることができない内側の一端を拝見できました。

一見の価値はありますね。

ちょっとした自慢にもなるかもしれません。

見学記念に、使用されなくなったお札を刻んだものをいただきました。

記念のスタンプも押してと。

私は東京証券取引所と日銀を見学しましたが、時間が許すなら日銀と隣接している貨幣博物館に行ってみるのも良いと思います。

あいにく月曜は休館日で私は見ることができませんでした。

何かの参考になれば幸いです。

今日はここまで~!

おわりっ!

おまけ

↓日銀のシンボルマークについて

2頭の雄ライオンが6個の千両箱を踏まえて後足で立ち、日本銀行のシンボルマーク「めだま」を抱えているマークだそうです。

千両箱は「お金」と連想できます。

ライオンも世界の金銀貨等を見ると描かれていることが多く、つながると思います。

「めだま」?って思う人も多いのではないでしょうか。

「日」という漢字の古代書体の一種で、日本銀行の行章(マーク)だそうです。

最初の日本銀行券である旧十円券(1885年<明治18年> 5月発行)から登場したようです。

だったら「日」で良いと思いますが…

もしかしたら、偽造する人に対する戒めかもしれませんね。

「悪いことしたら見ているよ…」みたいなもんでしょうか。

色々な意味がありそうですね。

ではまた~。

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